Ubuntu Serverでリモートデスクトップ環境を構築する (AMD Ryzen™用)

SSHやSamba、JupyterHubなどをインストールして、Ubuntu ServerをクライアントのMacやWindowsから各種サーバとして利用できるようになりましたが、Ubuntu Serverに軽量なデスクトップ環境LXDEをインストールして、クライアントからリモートデスクトップ接続できるようにします。iPad miniのような小型端末からでもPCのデスクトップアプリがリモート経由で使えるようになります。

Radeon Software for Linuxのインストール

Ubuntu ServerをインストールしたASUS Mini PC PN50というPCはAMD Ryzen™ R5 4500U CPUを搭載しているので、グラフィックスドライバーはRadeon用をインストールします。「Radeon Software for Linux」でネット検索するとAMD社のWebページが見つかるので、Ubuntu 22.04 x86 64ビット用のドライバーをダウンロードします。「ダウンロード」ボタンを右クリックしてリンクをコピーして、ターミナル上でwgetコマンドのパラメータに貼り付けます。

mkdir -p ~/temp
cd ~/temp
wget https://repo.radeon.com/amdgpu-install/(略)/jammy/amdgpu-install_バージョン_all.deb

ドライバーの「ダウンロード」ボタンの近くにあるRadeon™ Software for Linux® Driver installation instructions​​​​​というリンクを開くと、Radeon Softwareのインストール手順を見ることが出来ます。

# 前準備
sudo apt update
sudo apt full-upgrade

# ダウンロードしたドライバーのインストール
sudo apt install ./amdgpu-install_バージョン_all.deb
sudo apt update
amdgpu-install -y --usecase=graphics --no-32

LXDEなどのインストール

Ubuntuのデスクトップ環境はUbuntu flavoursで多数揃えられていますが、リモートデスクトップ接続で使うのであれば軽量なほうがよいと考え、LXDEを使ってデスクトップ環境を構築します。

ディスプレイマネージャにはLightDMを使います。デスクトップ環境を整えるためにXubuntu desktopを、日本語入力環境のためにFcitx5をインストールします。

なお、Xubuntu desktopをインストールする際にanacronもいっしょにインストールされてしまいます。cronで毎日・毎週・毎月一回実行するジョブを登録していると、anacronに置き換えられてしまうので要注意です。

sudo apt update
sudo apt install lightdm lxde xubuntu-desktop fcitx5-mozc

以下のようにディスプレイマネージャの選択画面が表示されたら「lightdm」を選択します。

インストールが終わったら、im-configコマンドで入力メソッドをFcitx5に設定します。

im-config -n fcitx5

LightDMの設定ファイルを/etc/lightdm/配下に展開します。

sudo bash
cd /etc/lightdm
cp /usr/share/doc/lightdm/lightdm.conf.gz .
gunzip lightdm.conf.gz
exit

インストール後はNetworkManagerもインストールされるのですが、Ubuntu Serverでは先にnetplanでIPアドレスを設定しており、NetworkManagerを使う必要は無いため、サービスを停止しておきます。

sudo systemctl stop NetworkManager
sudo systemctl disable NetworkManager
sudo systemctl disable NetworkManager-wait-online
sudo systemctl disable NetworkManager-dispatcher

ここまでの状態でUbuntu Serverを再起動すれば、PCのディスプレイにはデスクトップのログイン画面が表示されるようになりますが、あくまでリモートデスクトップで接続できるように次の手順へ進みます。

Xrdpのインストール

Windowsのリモートデスクトップ接続アプリからUbuntu Serverのデスクトップに接続できるように、Xrdpをインストールします。

sudo apt update
sudo apt install xrdp
echo "lxsession -s LXDE -e LXDE" > ~/.xsession         # リモートデスクトップ接続時にLXDEを起動
chmod +x ~/.xsession
sudo ufw allow from 192.168.xxx.0/24 to any port 3389    # ポート番号3389を開放(リモートデスクトップ接続用)

各種設定

カラープロファイル作成・カラーマネジメント作成の認証画面を消す

Ubuntu Serverを再起動し、Windowsのリモートデスクトップ接続アプリなどでUbuntu ServerのIPアドレスを指定して接続します。Macの場合はApp Storeから「Microsoft Remote Desktop」アプリを、iPadなどの場合は「Microsoft リモートデスクトップ」(RD Client)を使って接続することができます。

「カラープロファイルを作成するには認証が必要です。」「カラーマネジメントされたデバイスを作成するには認証が必要です。」という画面は、Ubuntu Server 22.04 LTSでは /etc/polkit-1/localauthority/50-local.d/45-allow-colord.pkla というファイルを作成して回避できます。

sudo nano /etc/polkit-1/localauthority/50-local.d/45-allow-colord.pkla
[Allow Colord all Users]
Identity=unix-user:*
Action=org.freedesktop.color-manager.create-device;org.freedesktop.color-manager.create-profile;org.freedesktop.color-manager.delete-device;org.freedesktop.color-manager.delete-profile;org.freedesktop.color-manager.modify-device;org.freedesktop.color-manager.modify-profile
ResultAny=no
ResultInactive=no
ResultActive=yes

polkitというサービスを再起動して、再びリモートデスクトップ接続します。

sudo systemctl restart polkit

ロック画面を抑止する

しばらく時間を空けてリモートデスクトップ接続で再接続すると、ロック画面になっていることが多々あります。リモートデスクトップ接続での運用であればクライアント端末側で画面をロックできるので、Ubuntu Serverのロック画面を抑止します。

  • LXTerminalなどのターミナル画面、またはLXDEのメニューから「実行」を選んで、gnome-control-centerを起動します。Setting → Privacy → Screenを選択し、Screen Lockの設定を全て無効にします。
  • LXDEのメニューから「設定」→「スクリーンセーバー」を選択し、モードを「Disable Screen Saver」にします。

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